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Fleurage―たおやかな花たち―

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Posted on 20:37:29 «edit»

Category:F(エフ)

F(エフ) 1 

不定期の双葉の成長日記、F(エフ)です。

青木目線の育児日記にしようと思ったのですが
育児日記ではないですね、本日は泣き虫青木が主人公。


F(エフ) 1



薪さんは
『夢の中で生きて行く』
そんなことを言っていたけれど薪さんと双葉だけにして出掛けると
時折心配になる。

ほんとうにふたりはここにいて、息をしているふたりなのかと。
夢の中の住人じゃないのか―
そんな気さえする。

だからもう‥30分に一度はメールするし、
電話だって頻繁に‥

『お前、そんなに仕事が暇なのか?難しい案件幾つも扱ってるだろ!
集中しろっ!』
と、言われて‥
メールだけに集中する。
勿論、返信なんてありはしないけど。

双葉がいるとかいないとか関係なく、いつも出来ることはしていたけれど
今は籠っているふたりの為に何でもしようと思う。

今回のことじゃまた薪さんを追いこんでしまったと‥反省して、
これからは全力で守ることだけに専念したいと思った。

オレは割と貯め込まないのか、精神的に悩むことはないけれど
今回のことは‥決心する随分前から悩んで、苦しんで‥
薪さんの為に‥ただ純粋に愛する人の為にどうしたらいいのか
こんなに考えたこと無いってくらい考えて、
最終的に決めた。
でもそれから、
ほぼ10カ月の間一言もこのことを告げられなくて
なんでこんなにいくじがないんだと自分に腹が立ったりもした。

薪さんが精神的に不安定だったこともあって自分で処理しようと
全ての苦しみを引きうけて薪さんにはウソをつき通そうと―
薪さんにウソをつき通すってことがムリな話なのに。

だけどひととして、薪さんの‥あの薪さんのパートナーとしてオレは
ひとりで立っていたかった。
薪さんに依存せず‥自分の中に抱き込んで、どんなことをしても
薪さんをオレだけの力で護りたかった。

ひとりで立っているだろうか、薪さんを護れているだろうかと
いまも気になって‥
あっ‥今は双葉も護らなければいけないし。
薪さんは逆に自分がオレと双葉を護るって言っていたけど、
オレだって薪さんを護りたい、命懸けで護っているつもりだったのに
左手の薬指に光るリングを見つめて‥また苦しめてしまった―
自己嫌悪に陥って、慰められて。
なにやってんだろうな。

モニタールームでそんなことをつらつら考えながら携帯を取り出し
薪さんの待ち受けを眺めてると、 背後に影が‥

「何やってんだ‥」
「‥お、かべさん‥」
「幸せそうで結構だな。
それで?お前の子は‥?」
とりあえず事情を知ってる岡部さんはいいだろう‥と、
双葉の待ち受けを岡部さんの前に差し出した。

「‥ほんとにお前の‥?薪さんの子じゃないのか‥」
「そんなわけないですよ、オレの‥」
確かに自分の体細胞で生まれた子だ。
ただ不思議なことに黒々としていた髪の色が少しづつ薄くなってる気がする。

想いが‥通じることがあるのなら‥そんなことも不思議じゃなくて―
オレと薪さんの想いをあの小さな体が叶えてくれるのかもしれない。

「1回見せに来いよ、どんなのか見てみたい」
「えぇっ‥見るんですか?岡部さんが‥?」

泣くかもしれない。
双葉ではなく、岡部さんが。
完璧なまでの無視が出来る子だから岡部さん、泣くぞ。

それに、あの子は目の前で薪さんをいつも見てる子なんだ。
岡部さんの顔が目の前に現れた場合どうなるか‥これは予測がつかない。

「‥考えさせて下さい」
「なんでだ」
「薪さんに相談しないと‥」
「‥‥」
岡部さんは‥黙って引き下がった。

「あの‥もう少し大きくなったら‥」
「ほんとだなっ?!」
‥‥そんなに見たいんですか‥


なんかドキドキする。

欅坂の天辺を目指して静かな住宅街を行くオレの心臓は
いつも早鐘のように鳴っている。
あの家に薪さんがいる、小さな赤ん坊と一緒にあそこでオレのことを
待っていてくれるのかと思うと‥ドキドキするんだ。

息をいささか切らしながら早足で坂を登り切ると
白い外壁と桜の樹、そして欅に覆われた玄関先が見えて、
玄関の外灯が明るく辺りを照らして‥
なんて幸福な光景だろうと思って不覚にも涙ぐんでしまう。
また薪さんに『泣くのは赤ん坊だけで十分だ!』
怒られてしまうな。

そっと鍵を開いて‥静かな室内で耳をすますと聞こえるのは
緩やかで美しいピアノの音、
子供にいいんだと薪さんが毎日双葉に聴かせているショパンや、サティ、
そんな調べが玄関にまでいつも聞こえている。

オレが帰ってきた気配をいち早く察知する薪さんは
どこか恥ずかしげな複雑な顔をして、いつも迎えに出てくれるけど
今日は‥

「あれ‥?」
双葉も泣いてないし‥。

急いで寝室を覗いたけど「いないな‥」
書斎とオレの部屋も覗いて‥廊下からリビングを見ても見当たらない。
リビングに入ってきてぐるりと一周眺めてみると、サンルームの辺りに
ぴょこぴょこと元気に動く小さな足が見えた。
「あそこか‥でも薪さんは‥」
サンルーム全体が見える位置まで来たら‥分った。
双葉の横でクッションを枕にすやすやと、
それこそ無垢な赤ん坊のように眠る薪さんの姿、
朝から降り続く雨を受けるサンルームで薪さんはこの子にミルクを飲ませた後
そのまんま横になって眠ってしまったらしい。
薪さんの手は、双葉の体を大事そうに守って添えられていて‥

「可愛いです、ヤバいですよ‥こんな無防備で」
双葉の方に横向きになって体は膝を曲げたまま少し丸まっていた。

「風邪ひきますよ」
傍に座ったオレに気づいて双葉がニコッと笑い‥益々手足をバタつかせる。
「大人しくしてなさい。薪さんが起きてしまうだろ。
薪さんが好きで大事なら、静かに寝かせてあげないと」
すると言ってることが分ったのか大人しくなって、その唇から小さな声が漏れだした。
まるでハミングするような愛らしい喃語だ。
「うーあうー‥」
この子がご機嫌な時に発する声。
そうか、この子も薪さんを護りたいのか‥。
この子にとってもオレにとっても薪さんは、世界で一番大切な人で
世界で一番好きな人なんだ。

オレは、双葉に添えられた薪さんの指をそっと握って引き寄せると
起きないように柔らかくくちづけた。

「護りたいんだったら‥この手はいらないよな、これはオレのだし」
じいっとオレを見上げるこの子の髪をよく見る、やっぱり少し色が抜けてる気がする。

「ふたちゃんは‥薪さんにも似たいんだ、そうなんだろ?」
「んま‥んま‥うぅー」
楽しげに歌うように声を上げるこの子の横で‥安心したように眠っている薪さんが
嬉しかった‥嬉しくてついつい髪や頬や首すじとか触って幸せを噛みしめる。

どうせすぐ泣くから‥いいんだ、そう言われても。
オレは泣き虫ですから。
嬉しくて、幸せで‥涙が出ることって‥人生の中でそんなに無いと思う。
だから‥泣いたって‥

「‥また泣いてるのか!」
パチッといきなり目を覚ました薪さんの前にスーツを着たまま横になって泣いてるオレというのも
どうなんだろう‥とは思うけど。
「いや、幸せだなって思ったら泣けてきて‥」
ガバッと体を起こして薪さんがのたまった。
「キッチンの哺乳瓶とこの子の着換え、お前が洗いたいだろうから残しといた」
「‥‥」
「ほら双葉、お父様が戻ってきたから一緒に遊んでもらいなさい。
青木、僕はシャワーしてくるから後はよろしく」
‥お父様って‥嫌味だなぁ

そんなつれない薪さんだってオレはいいんだ。
そこに存在するだけで―
あれ‥すごく匂うな‥

「ふたちゃん、オレが戻ってくるの待っててしたわけなのか‥?」
両脇を抱えてブランと抱き上げると
急に‥ケラケラと笑い声を上げた。
「‥声を上げて‥笑った‥!?」

「薪さんっ!この子笑い声をあげましたよっ!」

シャワールームにまで報告しに行って 
「お尻がただれるじゃないか!さっさと取り替えてあっちで大人しくしてろ!」と、怒られたけど
ほんとうに幸せで‥後でベッドの中でその幸せを薪さんに全部捧げたいと
密かに思っていた。






1話完結のシリーズの第1話目でした。
ちなみにFシリーズ不定期です。
次は薪さん目線でいきます。

本日のふたちゃん、声を出して笑えました。


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 こんにちはー

ruruさんこんにちは〜
あの…ruruさんは大丈夫ですか?元気ですか?
私はメーターが振り切れたので、大丈夫になりました。
その節は励ましのお言葉をありがとうございました!
今度はruruさんが心配ですー><
わぁい!育児日記が更新されている!うれしいです!
この二人が、ただいまとおかえりなさいを言えるというのが、
なんだかとても胸を熱くさせました。
うう…しかもふたちゃんまでいて…夢の中にいるのかしらと思うほど
幸せな光景ですね。
安心したように眠る薪さん…ああ…私も髪や頬や首筋を触りたいです。
ふたちゃんを愛しく思って、大切に護るように手を添えて
静かに寝息を立てている薪さんの姿を見たら、
幸せですよね。青木くん泣いちゃうの仕方ない。
一人で悩んで抱えてきて苦しかったでしょう。
薪さんはとても大きな存在で、青木はいつも敵わないと思っていて…
僕が護るから…そんなことで悩む必要はないのにと薪さんは
思っていそうですが。それよりも揺ぎ無い愛をと。
青木は護られてばかりいることをしっかり受け止めて、
もう一歩成長したいんですよね。
育児を通して、青木くんも成長していって欲しいと思います^^
よく考えたら、生まれたときから超絶に美しい薪さんに育てられていたら
…なんか一生だれも好きになれなくなりそうですね笑
それかいっそ間逆の人を選ぶか…
あ、大事なのは中身?そういう優しい子だといいですね。

  by にに子

 元気をいただきましたよーー

にに子さま、いらっしゃいませ〜
コメントありがとうございますm(__)m
> あの…ruruさんは大丈夫ですか?元気ですか?
> 私はメーターが振り切れたので、大丈夫になりました。
元気になりましたか、よかったです。
私も波は少し低くなりました。
読む前よりは落ち付いたかも知れませんね、でも決定的な言葉が
超痛かったです‥くすん‥
> その節は励ましのお言葉をありがとうございました!
> 今度はruruさんが心配ですー><
あはははははははは〜
そんな、大した事ではありませんよ。
私ですか‥?
私は午前と午後で違うのでおかしいです(笑)

> わぁい!育児日記が更新されている!うれしいです!
なんとなく書きたくなって‥書きました。
原作見たら青木も子育てしてて‥ゲップさせてて‥ワ――イ、一緒!
そこは喜びましたが‥よくよく考えるとシチュが全然違うので
可哀想になりました、原作の青木が。
育児日記はさすがにエロはないので‥
エロ書きたいですって何言ってんだか‥(-_-;)

> この二人が、ただいまとおかえりなさいを言えるというのが、
> なんだかとても胸を熱くさせました。
> うう…しかもふたちゃんまでいて…夢の中にいるのかしらと思うほど
> 幸せな光景ですね。
ほんとに‥つくづくそう思います。
二次創作しててよかった‥じゃなきゃ‥かなり厳しい精神状態に
なってました。
今も‥きいぃぃぃぃーーーっっ‥ってなりますけどね(笑)
でも夢みたいに幸福な三人に癒されます。
私の創作の中にも本編があって‥立夏が最新の本編ですが
あれとは違う時空ですから単発で書きたいと思っております。
> 安心したように眠る薪さん…ああ…私も髪や頬や首筋を触りたいです。
青木くんが触ると‥エロくて(笑)
それもいいのですけどね(^_^;)
> ふたちゃんを愛しく思って、大切に護るように手を添えて
> 静かに寝息を立てている薪さんの姿を見たら、
> 幸せですよね。青木くん泣いちゃうの仕方ない。
ですか‥
そうですね。
赤ん坊と薪さんが一緒にすやすや‥これ、原作で見れないですかね。
密かに期待しているのですけど‥どうなのでしょう。
そんなの原作で見た時には‥わんわん泣きますよ、本屋さんだろうが
レストランだろうが、試験会場であろうが^_^;
芯から優しい薪さんは護るように手を添えますv-398
> 一人で悩んで抱えてきて苦しかったでしょう。
> 薪さんはとても大きな存在で、青木はいつも敵わないと思っていて…
自分の方が愛しているって言うし‥薪さんは。
色んな面で敵わないと思っていたでしょう。
でも今回は青木自身が決断して‥身を持って捧げたというか
自分の身は地獄へと落としても薪さんへ捧げたかったのだと思うのです。
青木のそんな思いもすごいですけどね。
辛かったでしょうに‥e-263
> 僕が護るから…そんなことで悩む必要はないのにと薪さんは
> 思っていそうですが。それよりも揺ぎ無い愛をと。
> 青木は護られてばかりいることをしっかり受け止めて、
> もう一歩成長したいんですよね。
> 育児を通して、青木くんも成長していって欲しいと思います^^
護られてばかりでしたから。
強固な信頼関係を築いて‥これからはもっと深く結ばれたい‥
薪さんはお思いでしょうが、青木には青木の思いもあって。
自分だけで、自分の力でもってふたりを護ると言う自覚を
持っただけでも素晴らしいことです。
成長ですね、青くても。
でも育児はすごく上手な気がします。
ゲップも出せるしうん●のオムツも替えられる(笑)

> よく考えたら、生まれたときから超絶に美しい薪さんに育てられていたら
> …なんか一生だれも好きになれなくなりそうですね笑
> それかいっそ間逆の人を選ぶか…
> あ、大事なのは中身?そういう優しい子だといいですね。
ふふふふっ♪
美しすぎるひとがいて、これが当たり前だと思ってたら
好きになれないっ(>_<)
でも双葉という名前の通りに誰かを活かす為に
優しく見守ることができるひとでいてほしいです。
大事なのは中身‥分け隔てなくひとを見れる子‥
薪さんと青木が育てたらきっといい子になりますよ。
「つよちゃん、お花‥」ってお花摘んできてくれる双葉書きたいです。
ちなみに青木のことは‥「大パパ」‥ちっちゃい時は「とーたま」
子育て編についても楽しくて色々ネタがつきませんi-237

  by ruru

 7月1日鍵拍手コメ下さいましたMさまへ

Mさま、拍手とコメントありがとうございました〜♪
萌えどころ満載‥(笑)
ありがとうございますi-237
まず青木の想い‥ですか。
自分が護りたいと未だに諦めず(笑)思ってますからね。
でも苦しかったはずなんですよ、悩んで‥
一旦はとことんまで落ちたと思われますが薪さんへの愛が強くしたのでしょうね。
あ、岡部さん泣くかも‥?
ふたちゃんは病院慣れしてます、ということは‥
ひとになれているのですが‥岡部さんは特殊ですから‥
完全なる無視を身につけているふたちゃんの視界に入ることができるのか‥それが問題です(^_^;)
ふたちゃんを護るように手を添えて眠る薪さんですね(^^♪
傍で見たいし触りたいですよねi-175
天使のような寝顔を見たい‥‥i-233
私もそうですよ〜
時折また書きますのでお楽しみにっ!

  by ruru

 7月2日鍵拍手コメ下さいましたSさまへ

Sさま、いつもありがとうございますi-175
先ほどメールでお返事させていただきました〜♪
温かいお言葉‥嬉しかったです(/_;)

  by ruru

 7月2日鍵付き拍手コメ下さいましたAさまへ

Aさま、いつもご訪問ありがとうございますm(__)m
青木ってば心配性ですね。30分ごとにメールや電話しちゃうなんて(笑)
ちょっとしたストーカーですね。
さすがヘンタイです(笑)
薪さん、呆れて返信しません(^_^;)
今の原作の青木には薪さんを護ろうという気持ちが欠けている!姉夫婦の事件が起きてからの青木は自分のことでいっぱいなんだよね(´`)同じ育児でも天と地ほどの差がありますね(><)そう思うと可哀想かも。
それは思いました。
今月号見て、子育てシーンがダブったのでちょっと嬉しかったのですが‥
状況がまるっきり違うので‥可哀想かなって思いましたもの。
痛々しいというか。
薪さんを守りたいって気持も今は薄れていて‥自分の感情だけで動いていますよね。
薪さんを慮ることができなくて‥これが青木とは思いたくないです。
きっと気がつくと思うのですが。
心配しています‥i-181
ふたちゃんの横で安らかに眠る薪さんを見たら幸せで泣けてしまう。その気持ちが解ります(;;)
泣き虫ですから(笑)
自分の感情に素直なのでしょうね。
そして何より薪さんを愛している‥そこに尽きますね、
そんな薪さん‥見たいです(/_;)
普通の幸せを味わっている薪さんを見たいです。
どうにかならないでしょうか‥e-263
声をあげて笑うふたちゃんは天使のようで・・私もしばし、幸せな気分に浸れました(^^)
だいたい2、3カ月で声を上げて笑えるように
なりますから、ふたちゃんは普通の成長を遂げています。
成長に関して心配がいささかあるのでちょっとしたことも青木は嬉しいのでしょう。
責任がありますし。
笑って‥寝返りして‥はいはいして。
そんな成長の過程を書いていきたいと思っております。
幸せな気分に‥?きゃーーありがとうございますっ\(^o^)/きゃっきゃきゃっきゃ笑うのでしょうね。
今はまだケラケラ‥っと笑う程度でしょうか。
ありがとうございました〜

  by ruru

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Posted on 01:56:29 «edit»

Category:F(エフ)

F(エフ) 2 

ちょっと創作小休止の短め自己満、あおまき&双葉です。
なんにも無い緩いものですが暇つぶしにでもどうぞ。
ただ‥
すみませんが、つまらないです。
私も三人とともに寝たくなるくらいつまらないです‥(-_-)zzz

F(エフ) 2




「昔、昔‥国を追われた王女と弟の王子がおりました」


ふたりの国は今は亡き南方の、
花咲き乱れ、鳥は歌い、人々は笑顔に溢れた豊かな国でありました。

ある時、突然の侵略によって王と王妃は殺され、
そして小さな妹たちは侵略者によって囚われ幽閉されてしまいました。

その国を彼の国と呼びましょう、
彼の国の外れ、黒々とした森に逃げ込んだ彼らはコッソリとある夜、国を捨てました。
それは、半分の月がふたりの行く手を明るく照らす春の夜のこと。

薄情な私たちを神は許してくれるでしょうか?

姉君様、月が見ています、見守ってくれています。
きっとここに戻ってふたりでこの国を取り返しましょう。

そうね、きっとそうしましょう。
今は亡国の末裔という立場でもきっといつか堂々と
この国に戻ってまいりましょう。

ふたりは砂金のような海岸で小さな船に隠れるように乗り込んで
三日三晩波に揺られてついた先には‥

「‥あ、あったかくなった。オムツ濡れた?双葉」
広げた本をなんとなく見ているような‥
小さな頃からの情操教育は大事だからこうして本を読んで聞かせているけれど
聞いているのかいないのか謎だ。

書斎で仕事してる薪さんの邪魔をしないように静かに‥ではなくて
リビングのドアも書斎のドアも開け放って、声が聞こえるようにしている。
その方が薪さんも集中出来るらしい。

ソファに双葉を抱いて座りながら読み聞かせするのは絵本じゃなくて
世界の昔話的な‥なるべくキレイな言葉を使っている本を選べとの
御達しで。
「うま‥うま‥あうー」
「機嫌がいいねー‥本面白いのか」
オムツを替えながら話しかけるとじっとオレの目を見てくれるようになった。
薪さんのことは見つめても、なかなかオレのことは見てくれなくて。
だけど、やっぱり本能に訴えるのは薪さんの方かも知れない。
薪さんは―
静かだ。静かに書類を次から次へと精査しているんだろう。
「さてと、ふたちゃん続き読もうか」
再び抱っこしてソファに戻っていた。

(墺)の国の女王は月のように優しく穏やかな人であったけれど
ふと、悪意が生まれ‥ふたりが逃げ込んだ小さな壕に兵を送りふたりを捉えようとしたのです。 
まだ出ぬ月も花々も、風に揺れる木々もふたりの行く末を案じて
遠くから見ています。
姉君様、ここは私がお願いをしますからその隙にここを脱しては貰えませんか、
まだ12の弟王子がそう言って王女を救おうと。
そんなことはできません。
あなたを犠牲にすることはできない、
共に生きてあの国の為に力を尽くそうと思っているのに
どうしてあなたを捨ててひとりで生きていけるでしょう。

「だけど弟王子は‥うっ‥王女の言うことも聞かず、王女が眠っている間に
ひとりで‥ひとりで‥なんでひとりで出て行くんだ!
そんなことしたって‥生きてなきゃダメなんだっ!ううっっ
ひと、ひとりで‥兵士の放った矢が‥えええぇぇっっ!!
王子の心臓に‥って‥なんで死ぬんだっ!
ふたりで国をとりもどすって‥なんでっ‥‥」

「やかましいっ!! 」
薪さんが脱兎のごとくやってきて、‥怒っていた‥なぜ?!

「うっとおしい、泣くなっ!
お前はいったいどんな本の読み方をしてる?
お前みたいに年中泣いてる子になったらどうするんだ!」
「だって可哀想じゃないですか」
「読み手が感情移入してたら聞いてる方は冷めるだろっ
貸せ、僕が読んでやる!」
オレに双葉を抱かせたまま、隣に座って続きを読み始めた。

冷めるって‥双葉が冷めるんですか‥?
薪さんが冷めるんですね?(笑)

(墺)の国の女王は実は血も涙も無い女で、ヒーローのようにたたえられている
ふたりの存在が大嫌いで、前からふたりを探していたのです。
(あれ‥違う。薪さん劇場だな、また)

だから隣国の魔女を雇ったり、占い師を呼んだりしてふたりの行方を
探していました。
しかし‥この女は‥弟王子の母だったのです。
(母じゃない!)
幼い頃さらわれて生き別れになった息子をバカ母が愚かにも
殺してしまったのです。

「薪さん、そんなことは書いてないですけど‥」
「脚色があるから面白いんだ!」
(そんなこと言ったって‥じっと押し黙ってやりとりを聞いてるこの子が
なにを想っているのか‥)

「そこに現れた彼(か)の国に幽閉中の妹姫たち。
妹姫たちは実はバンパイアで、100人の血を吸うと誰かひとり生き返らせる
という特典付きで、幽閉中の牢の鉄格子からコウモリになって
飛んできたのです。
あっという間に敵兵の喉元に噛みつき、100人なんてすぐに血を吸って―」

‥酷過ぎる。
薪さんの脚色は残酷かナンセンスかどっちかしかない。

「大きくなる薬を飲むと王女はぐんぐん大きくなり雲も突き抜けて‥」

どんな話になってしまったのか‥。

双葉は‥珍しく無表情で薪さんを見ていたけど、
「どうした?面白くないのか?」
薪さんがそう声をかけると、ニッコリと笑ってご機嫌になる。
そして近頃声を出して笑えるようになったばかりで
きゃっ、きゃと、
愛らしい笑い声を聞かせてくれる。
「そうだろ、面白いだろ。
青木のは湿っぽくて仕方が無いからな」
「いや、そのまま読んでるだけですよ。
薪さんみたいに脚色してませんから」
「‥眠そうだぞ‥」
覗き込むとほんとにトロンとした目をしてて
「そうですね、そろそろ眠くなる時間ですか」
抱っこしたまま立ち上がると、
「あ、僕が寝かせるから」
「またオレたちのベッドでですか?」
時々ベビーベッドじゃなくて隣のベッドで一緒に寝てる薪さん、
添い寝はまだ早いと思うんだけど、
薪さんが幸せそうにしてるの見て‥仕方ないと諦めているけれど。

ベッドの真ん中に置くと双葉の胸をトントン‥と叩いて寝かしつける薪さん、
この子はほんとに手のかからない子で、
数分そうやっているとバタバタさせていた手足も温かくなって
さっさと寝てしまう。
そして‥寝かしつけていた薪さんも一緒に。
薪さんの御所望で薪さんが双葉を寝かしつけている間、
オレはずっと薪さんの髪を、背中を撫でている。
そうするとすごく落ち付いて、一緒に眠れるらしい。
オレのことは誰も撫でてくれないけれど双葉の上でいつか組み合わさった
薪さんの手の温もりだけで十分‥幸せだと思う。

「でも、読み聞かせの脚色はほどほどにして下さい」
夢に出てきそうだから。

麗しい眠り姫の耳元でそう囁いた。

004_convert_20110711205728.jpg






あんまり描き込んでない痛いイラストを添えましたが
ふたちゃん、女の子じゃん!
と、自分に突っ込みました(^_^;)

3人とも寝てるし‥

精神的に色々辛いので子育てに逃げてみました。
本を読んであげるのって続かないんですよ(笑)

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 No title

夜な夜なうろうろとしていてすみません・・
こちらにもコメント失礼します!
あの、レスとか、気にしないでくださいね・・
うぅーー!
最後のイラストが!とっても優しくてきれいだったものですから!
読んでから、ずっとコメ残そうと思っていたのですが、ようやく!
あの・・これ・・さり気なく・・
ふたちゃんの上で、薪さんと青木くんの手重なってませんか?
お話の通り・・
すいません、私には見えます。
それにしても、ふたちゃんがいてくれるお陰で、
とっても優しい雰囲気に包まれて・・幸せー(´V`)
癒されましたぁ!

  by にに子

 7月7日鍵拍手コメ下さいましたMさまへ

Mさま、拍手とコメントありがとうございますm(__)m
お返事が遅くなりまして大変申し訳ありませんっ
この三人の温かい雰囲気が好きだとおっしゃってくださって‥(T_T)
嬉しいですっ
元々がちょっと‥どうかと言った感じだったんですけど
もう書いてしまったものは仕方なく‥開き直っています。
幸せで温かい3人の人生は続きます。
というか、永遠に続かせます!
幸せになって頂かないと‥原作に打ちのめされて私は
立ち直れませんもの〜
Mさまもそうですよね♪
これからは子育て日記の更新頑張ります\(^o^)/☆☆☆
あ、そうですね‥脚色のセンスですか‥
どうなんでしょう、私からは微妙‥とだけお伝えいたします。
ありがとうございました!

  by ruru

 にに子さまに褒められると‥恥ずかしい‥

にに子さま、このような記事にコメントいただいてありがとうございます!

> うぅーー!
> 最後のイラストが!とっても優しくてきれいだったものですから!
> 読んでから、ずっとコメ残そうと思っていたのですが、ようやく!
すみません‥恥ずかしいです‥
イラストに関してはもう‥恥さらしではありますが、時間をかけず書いた割には
マシかな‥自分にしては。
だから載せてしまいました。
にに子さまにそう言っていただけだだけでUPした甲斐があったというものです。
恥を忍んで。
> あの・・これ・・さり気なく・・
> ふたちゃんの上で、薪さんと青木くんの手重なってませんか?
> お話の通り・・
> すいません、私には見えます。
はい〜(〃∇〃)さりげなく切りました。
指を重ねているのですがこういう形の方がいいかな‥
と、思って。
にに子さまには見えましたか‥やっぱり。
手を繋いでいるだけでも幸せ‥などとうちの青木がどの面下げて‥
そうは思いますが、たまには‥ねえ(笑)
ほこほこしたのも好きなのです。
R職人見習いではありますが
> それにしても、ふたちゃんがいてくれるお陰で、
> とっても優しい雰囲気に包まれて・・幸せー(´V`)
> 癒されましたぁ!
「F」はもう、この方向でずっといきたいです。
可愛くて温かい3人の生活を続けて書きたいなぁ‥そう思っております。
育児方針を巡って諍いがあるのも当然だし、
色々問題も出てくるでしょうが、基本の部分では
愛情あふれる親子の情景‥ですね。
これは‥下げたいなぁと思っていたので救われました。
超恥ずかしい‥時間がたてばたつほど恥ずかしさは増していってたので。
ありがとうございましたっ!!!

  by ruru

 7月10日鍵拍手コメ下さいましたAさまへ

Aさま、こんにちは!
いつもコメントありがとうございますっ!
青木が読みながら感情移入して泣いてしまうってありえそう(笑)
きっと青木は涙もろいのだろうと思います。
ここの青木ほどではないでしょうが(^_^;)
もっと可哀想な‥例えば私は何度読んでも泣いちゃうんですけど「幸福の王子」とか読んだら滂沱の涙ではないでしょうか(笑)
アニメだったら「火垂の墓」とか。
王子がちょっと、自分が犠牲になって第九を守ろうとする薪さんと被る(;;)
ぎゃ!そう言えばそうですね。
無意識に書いておりましたが、やはり脳の中には薪さんのことがいつもあるので‥うーん複雑ですね。
でもハッピーエンドだと信じます(^−^)
ここの王子も生き返りますから‥どんな話なんでしょう(笑)
薪さんが読むと話が紙芝居っぽくなるなあ(^▽^)
薪さんはエンターティメント性を重視するようです。
いかに面白くするかに全精力を傾けるタイプ?
勝手にお話を変えるのも相手を喜ばせる為なんですね。
わあ、ふたちゃん、天使のよう!幸せな光景に癒されます(;▽;)このイラストのふたちゃんがもし、舞ちゃんだったらと思わずにいられません(><。。)いつまでも見ていたくなります(^^)
天使の様ですか?!
ありがとうございますっv-282
男の子なのに‥女の子のようになってしまいました(笑)
でもきっと薪さんも女の子のように愛らしかったに違いありません。
女の子みたいなふたちゃんは‥舞ちゃんとダブりますね。
私もそう思いました。
やはりここにも幸せになって欲しいという祈りと願いをこれも無意識に込めたのだと思います。
原作を忘れたいと思って創作していても逃れられるものでは決してないようです。
当たり前ですが。
3人の幸せをもう何話か書きたいです。
ありがとうございました!!

  by ruru

Comment-WRITES

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Posted on 02:14:21 «edit»

Category:F(エフ)

F(エフ)3 

あおまき双葉の成長日記その三弾です。
今回は‥叔父さん登場(笑)


F(エフ)3




「‥岡部が‥?」
ちょっと眉間にしわを寄せる薪さん。
それはそうだろ‥岡部さんがこのうちに来るってことじゃなくて
双葉を見に来るってことが‥大丈夫だろうかという―

ベビーベッドで寝返りをしようと一生懸命の双葉を見つめながら
「まあ‥いいか‥」
ポツリと言った。


近頃双葉は寝返りにハマっている。

懸命に小さな体を捩って‥「うぐ‥んま‥」なんて言いながら
薪さんがぶら下げたガラガラを取ろうとしているけれど
届かない。

「手を出すな」
「‥でも、まだ早くないですか?」
「この子は努力家なんだ。
今手を出すと努力しない子になってしまう」
いや、赤ん坊ですから。

虎の穴じゃないし‥

昼間育児休暇に入ったオレは双葉とずっと一緒で
やっとそれに慣れた頃に岡部さんからメールが来て
『その子に会いたいから薪さんに話しをつけてくれ』
って事だったから話しをしたんだ。
薪さんは第九にいるのにどうして岡部さんは自分で言わないんだろうか、
見せてもらえませんかって‥
そんなに怖いかな、可愛いひとなんだけと。
『それはお前にだけだろっ』
岡部さんの声が聞こえた気がした。

盆休みもなにもなかったけれど、丁度お盆に入ったその土曜日に
岡部さんは‥やってきた。

オレが心配だったのは‥双葉の人見知りで‥
以前からそういう傾向はあった。
病院で声を掛けられて固まる表情を何度か見ていたから
岡部さんが傷つくんじゃないかと心配していたけれど
ますます拍車がかかる鉄仮面の‥赤ん坊。

「泣かすなよ!」
ラフな綿の半袖シャツにジーンズの薪さん、
そんな恰好の薪さんにはあまりお目にかかっていない岡部さんは
いささか戸惑っていたようだけど、薪さんは別に気にする様子もなく
さっさとリビングに戻って行った。
オレはなんとなく恥ずかしいような‥
「あの‥こっちです」
「‥ああ」
いつものスーツだったけどノーネクタイの岡部さんを
リビングに案内した。

双葉は‥リビングの真ん中、カーペットの上に敷かれたバスタオルの上で
こっちにお尻を向けて寝返りの練習中だ。
ソファからその様子を見ている薪さんが
「双葉、岡部のおじさんが来たぞ」
声を掛けると、もう少しで寝返りしそうだった体がゴロンと元に戻った。
「‥やっぱり‥」
岡部さんが確信を得たようにそんな事を呟く。
「やっぱりって‥何がやっぱりなんですか?」
「薪さんの子でしょう、この子は」
「‥何言ってるんだ、僕は体細胞を採取された覚えはないぞ!」
「だって‥どう見たって薪さんのコピーにしか見えませんよ」
「岡部さん、コピーって‥」
「ああ、クローンか‥青木には見えませんよ」
「青木そのものじゃないか、黒目の部分が大きいし、
指の長いところとか、月齢の割にデカいところとか」
「そうですかねえ‥」
双葉の正面にゆっくりと回った岡部さんがしゃがんで、仰向けに寝っ転がっている
双葉をじーっと‥見つめる。
その途端、くるっと顔を背ける双葉‥あれっ?
背けた方に回ってまた視線を合わせようとする岡部さんだったけど
再び同じ様に逆方向に顔を背けた。

「‥なんか‥この態度が薪さん‥?」
「何失礼なこと言ってるんだ、いくらなんでも初対面の相手に
そんな態度は取らないぞ!」
「でもほら‥」
もう一度顔を近づけて見るけれど、決して目を合わせようとしない。

「ふたちゃん、そんな態度はやめようね」
抱きかかえて見つめたオレの顔はちゃんと見るのにどうして‥?
「抱っこしてみて下さい、岡部さん」
「えっ‥オレがか‥?」
無理やり押し付けるように岡部さんの腕に抱っこさせると
双葉は‥固まった。
泣きもせず、笑いもせず無表情で固まっていた。
 
岡部さんはまるで地蔵を抱っこしているようで、
ぷっと吹き出したのは薪さんだ。
「なんだそれ‥岡‥岡部‥完璧に嫌われてるだろ‥」
もう、ソファに突っ伏して笑っているし、
岡部さんは固まる双葉を抱いたまま、これまた固まっていた。
「人見知りの時期なんですって、だから仕方ないんですよ!
岡部さんも薪さんの子じゃないかなんて言うし、それを確かめたくて
来たりするから伝わってしまうんです」
仕方なく地蔵の双葉を岡部さんから受け取ると、途端に「‥ひゃーーっっ‥」
と、泣きだす始末。

「泣かすなって言っただろっ」
薪さんが飛んできてオレの腕の中の双葉を抱いて
ウッドデッキに出ていった。

双葉を縦抱きにしてトントンと‥背中を叩きながらあやす薪さんなんて
岡部さんは見たことが無いものだから 日差しの中のふたりを
穴があくほどじっと‥見つめている。

「‥薪さんが赤ん坊を抱いてる‥」
「そうですね」
「あれは‥やっぱりお前かな‥」
‥‥んっ?
「なんで急に考えを変えたんですか」
「薪さんは‥お前だから可愛いんだろう。
オレは薪さんに赤ん坊が似合うなんてことを考えたこともなかった。
子供なんていなくたって幸せな人生は送れるだろう、お前はなんてバカな
ことをしたんだろう‥とも思ってた。
だけど‥薪さんはそんなに赤ん坊が似合わないってこともないし
なんて言うか‥幸せそうに見えるじゃないか。
それならそれで‥いいだろ」
「‥でも、あの子は薪さんの体細胞で生まれた子じゃありませんよ」
「そう考えるしか無くなった。
あ‥こっち見てるぞ、お前が」
「‥オレじゃないし」
「お前だろ、あんな小憎らしい態度とるとは思わなかったけどなぁ」
「‥体細胞はオレのでも生まれた時からあの子はあの子なんです。
薪さんだってオレだと思って育ててる訳じゃないし‥」
「あんなふうに可愛がってるじゃないか、あれはお前と同じ遺伝子を持っているからだ。
それだけであんなに可愛いんだな‥結局お前は許してもらったんだし、薪さんに。
それがすべてだな」

泣きやんだ双葉は再びバスタオルの上で薪さんの方に向かって
寝返り訓練を開始する。
薪さんの膝もとに行きたい双葉はどうしても肩が抜けなくて苦労していた。
後ちょっとのところでバタリと仰向けにひっくり返ってしまう。
3人で暫くそんな拳に力の入る光景を見つめていたが‥ふと岡部さんが
薪さんの反対側に回る、
すると―
どうしても岡部さんの方を見たくなかったらしい彼が渾身の力を振り絞って
というか、思い切り反動を利用してコロンと‥初めて寝返りに成功した。

「‥あっ‥」
「多分成功するんじゃないかと思ったら‥案の定でしたね」
苦笑いの‥岡部さんだった。
それはそうだ、寝返りを成功させる為だけに来たようなものだ。
あの坂をわざわざ昇ってきて。

「いいんだ。
オレは薪さんさえ穏やかでいてくれりゃ、精神的にこっちも楽だからな」

そんな大人な発言をしていたけれど‥実は結構傷ついていたのを知っている。
「‥そんな怖い顔か‥?」
翌週電話をかけてきて、そんな事を聞いてきたりした。
十分、子供にとっては怖い顔だと思いますけど、岡部さんの優しさを
理解する子供なんてなかなかいませんからね。

だけどなにより、薪さんの心を理解しているし。


双葉はおもちゃや、絵本につられなくてもコロコロと寝返りをするようになった。
寝返りを始めた途端ズリ這いで、ソファに横になって本を読んでいた薪さんの足元まで
移動したものだから、さすがの薪さんも驚いて
「青木っ!双葉が気持悪いっ!」なんて暴言を吐いた。

「岡部の顔は進化していないが、ひとを進化させる何かを持っているのかもな」
‥ホルモンかなにか分泌させるとでも‥?

薪さんの足元で顔を上げた双葉を抱きかかえると、可哀想な岡部さんの為に
双葉にお願いをしたんだ。
「岡部さんは‥ふたちゃんの血のつながった叔父さんと思いなさい。
だから今度来たらもっと愛想よくしないと」
言い聞かせているオレの隣で薪さんがまたとんでもないことを言う

「愛想良くして、可愛がってもらわないとお小遣いくれるひとが減るんだぞ、
よく考えろ、双葉」
‥そう言うことですか‥?

でも‥岡部さんにも春はきた。

それはまた―今度の話にしようかな。





何だろう‥あおまきおかふた‥
これじゃ誰れのことなのかちっとも分らないですね(^_^;)


ふたちゃんと仲良くなれた岡部さんはまた次の機会で。

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 8月13日鍵拍手コメ下さいましたMさまへ

Mさま拍手とコメントありがとうございます〜♪
双葉を好きでいて下さってありがとうございます。
このお話の前作は‥結構悩みとともにあったので‥
喜んでいただくと嬉しいですv-344
天にも昇る心地がします。
縦抱っこ薪さん(*^_^*)‥私も好き‥
愛らしいじゃないですか、
薪さんはあっち向いてるのにふたちゃんはこっち向いてる‥
今回岡部さんは嫌われてしまいましたが、
きっと‥ニコッと笑ってくれることでしょう。
春というのはそう言う意味です(笑)
別に瀬名先生と別れて女のひとと結婚して
赤ん坊ができるという事ではなく(爆笑)
Mさまの想像力は素晴らしいっ!
ビックリしました。
書き方が悪かったですか‥
すみません、余計な心配をおさせしました。
大丈夫です、岡部さんと瀬名さんが別れることは
たとえパラレルでもありませんi-237
ご安心ください〜
双葉の成長日記は薪さん目線でも書きたいと思っています。
よかったらまた読んでやって下さい。
ありがとうございましたe-415

  by ruru

 8月16日鍵拍手コメ下さいましたAさまへ

Aさまこんにちは〜拍手とコメント
ありがとうございましたm(__)m
岡部さんの顔を見て泣きもせず硬直するふたちゃん面白い(^^;)
日頃美しいものしか見ないので(笑)
まだ免疫が無かったのでは。
泣かずに固まるのはよほどショックを受けたから‥?
でしょうか、
愛想が悪いところが薪さんに似てるって(笑)
薪さんの血なんて1滴も入ってないのに(笑)
だから薪さんの子ではないかと
岡部さんは思ったのですね、髪の色も薄いし。
5巻の特別編の岡部さんも最初は泣かれたけど慣れるとなつかれていたので次に来る時はいい遊び相手になるかも(^^)
何度も同じことさせられそうです(^_^;)
でも岡部さんは割合根気強いので
しっかり遊んでくれたりして。
子供はそう言うのを覚えているので
人気者になるのですね。
岡部さんは薪さんとふたちゃんがうまくいってるか心配だったのかしら。青木の分身みたいな子だから可愛いに決まってるのですが。
そうですよね。
でも少し心配で。
あの薪さんが子育てなんてできるのか、
精神的に負担になっていないか‥
薪さんは愛情をもって育てておられます〜
楽しんでる‥そういっていいのかも。
ふたちゃんも青木のようにデカくなるんでしょうか・・岡部さんにも幸せになって欲しいですね(´▽`)
青木の様にデカく‥‥
うーん‥微妙‥
でか過ぎますものね。
大きくなる因子を持っているので
十分大きくなると考えられます。
岡部さんの幸せってどういう事でしょうね。
嫁をもらう事?
やっぱりそうなのでしょうか?!
嫁と子供‥‥似合いませんv-12

  by ruru

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Posted on 21:24:06 «edit»

Category:F(エフ)

F(エフ)4 

久しぶりのFです。
よろしかったらどうぞ(^^♪

‥岡部さんの育児編?

F(エフ)4




「青木‥‥この子視線を‥外さないぞ‥」

血の繋がってない〝叔父さん〟の岡部さんが
相変わらず双葉を抱っこしたまま固まっている。

「えっ?そんなの外していいんですよ。
オレ忙しいんですから岡部さん見てて下さいね」

子育てというのはセンスだと思う。
岡部さんはセンスがあるけども、まだ慣れてない。
相手が慣れてないと子供というのは敏感に感じ取って
不安定になるものなんだ。

で‥泣く。

グズり出した双葉をリビングのベビーラックに置くと
弱り切った表情でキッチンで離乳食の準備をしているオレに
岡部さんは泣きついてくる。

「岡部さんまで泣かないでくださいよ?
ひとりで沢山ですから」
「お前な、いつも薪さんに言われてることをオレに言うな!
こっちは慣れてないんだぞっ」

なんで知ってるんだろう‥?

「お腹が空いてるんですよ、離乳食できましたから
食べさせてもらえますか」

「ええっっ!!オレが!?」

「そうです、これ持って行って下さい」
「‥‥なんだこれ‥べちょべちょじゃないか‥」
「こんなものなんですよ。ダシで煮たニンジンを潰したやつですけどね。
じゃないとまだ噛めないんですよ。
あ、持って行って下さい、泣いてますよ」
「‥‥」

渋々双葉の元に戻って行くと―

「うんぎゃーーー」

‥これだ。

「青木、喰わない、ベッって出したぞ‥」
情けない顔して食器とスプーンを持って逃げてきた。

「‥ベッって出すんですよ、最初は。
だから何度も根気よく口の中に入れてやると
慣れますから。
もう薪さんが戻ってきますから少しは食べさせてないと‥」

「食べさせてないと‥?」

「鬼のように怒ります」

「‥‥もう一回挑戦して来る」
「健闘を祈ります」

薪さんは育児のセンスがある。
だけど泣かれるのは嫌いだ。
離乳食をすぐに中断して抱っこしてしまうから離乳食が
全然進まないんだ。

「んまんま‥んま‥」

機嫌のいい声が聞こえてきたら覗くと‥
手を振り回して双葉は喜んでいるんだけども、
「ああっ!大人しくしないと零れるだろう!」
慣れない岡部さんはスプーンを持ったまま困っていた。

「岡部さん、機嫌のいいうちに食べさせないと‥」
「これは機嫌がいいのか?」

「いいんです。
だから今の内に‥あ、口開けてほしがってますから
今いれて下さい!」

「えっ!?あ、ほら、美味いぞ~」

ワイシャツの袖を捲りあげて、大汗をかきながら
叔父さんは頑張った。
やっと白いベビー用のお椀八割方食べたところで
車のドアの開閉音が聞こえた訳で‥。


「‥岡部さん、見てて下さいね。
薪さん帰ってきましたから」
「‥‥お前いつも迎えに出るのか?」

「え?公用車の送迎で戻ってきたんですよ?」
「そうじゃなくて、玄関までいつも迎えに出るのかって
聞いてるんだ」
「‥‥出ますけど‥なんですか?」
「いや‥なんでもない」

岡部さんの言いたいことは分かってる。
(尻に敷かれている)ってことだろう。
相手は薪さんですよ?
帰ってきたら玄関まで出るのが当たり前じゃないですか。
なにを言ってるんだろう‥?

玄関が開く前に引き戸の前に慌てて降りていくと
すぐにドアを開いて薪さんが入ってきた。
いつものクセでオレの顔をじっと振り仰いで‥
お帰りなさいのキスを待っているんだけども、
「お帰りなさい、あの‥岡部さんが来てますから‥」

「‥‥ああ、そうか‥そう言えばそう言ってたな」

「本庁の呼び出しは何だったんですか?」

「‥別に大したことはない。
それより‥お帰りのキスは!?」

‥やっぱり拘ると思ったんだ。

「分かりました‥」
そっと頬に手を添えて、軽く啄む程度のキスを
音が出ないようにさっとして‥後ろを振り返った。

よかった‥廊下には出てきていない。

「双葉はどうした?」
「今岡部さんに離乳食、食べさせてもらってご機嫌ですよ」

「‥‥大丈夫なのか?
消化不良起こさないか!?」

‥‥それはあんまりです。

バタバタと慌ててリビングの方に入って行くと
丁度双葉の口をウェットティッシュで拭っている最中だった。

「食事は終ったのか」
そう言いながら双葉の頭を触ろうとした薪さんに
岡部さんが思わぬ言葉をかけた。

「手は洗ったんですか!?」
「‥‥まだだ」
「手も洗わないで赤ん坊に触れるなんてあり得ないですよ!」
「‥なんだ、こいつ‥」
「薪さん、怒らないでください。
オレも手は洗ってほしいです」

「まんま~まーま‥んま‥」
薪さんが大好きな双葉は抱っこしてほしくてラックから乗り出して
両手を出している‥けど、
岡部さんがラックをさっと、薪さんから遠ざけた。

「岡部‥双葉が泣くじゃないか」
「我慢させて下さい」

「う‥まんま‥まぁ‥」

「岡部!」

「ダメです!」

「まぁ‥ふん‥うんぎゃ‥ふぇ‥」

「いい加減にしろっ」

「洗って来て下さい!」

「ぎゃーー‥」
双葉が不穏な空気を感じて泣きだした。

オレはもう恐ろしくて‥ひと言も口を聞けなかったけども
どうやら根負けした薪さんが風のようにリビングを後にした。

「青木、アルコール消毒の‥ほら、スプレーないのか?
薪さんが通ったとこを消毒しないとウィルスがいるかも知れないぞ!
この子が風邪でもひいたらどうするんだ!」

‥‥‥
「‥‥岡部さんて‥けっこう‥」
「ん?なんだ?」

「いいえ‥なんでもないです」

オレの言いたかったことを薪さんが戻ってきて言った。

「お前‥過保護で大甘だなっ」

「‥‥そんなこと言いますがね、赤ん坊は抵抗力がないんですから!
母親の免疫があるんなら別ですけどこの子は‥」

「‥そんなことは分かってる。
でも‥もうずいぶん抵抗力は付いたんだ」

「すみません‥余計なことを言いました」

「お前も先生に産んでもらったらどうだ」
薪さんこそ余計なことを‥
「産める訳ないじゃないですか‥」

「疑似子宮が成功したそうだ」
「‥そんなもので子供育てたとしても‥切ったら出血するんですよ?
死んじゃうでしょうが!」

「だったらお前が‥‥‥」

わーー‥やめて下さいっ!

「まんま‥まーま」

薪さんに抱っこされてご機嫌な双葉の声が静まり返ったリビングに‥響き渡る。

「‥‥なんか‥気分が悪くなった‥」
「薪さんが言い出したんじゃないですかっ」

オレと薪さんの頭の中に浮かんだおぞましい画(つまり‥岡部さんの妊婦姿‥)を
払拭するのにほぼ24時間を用した。

岡部さんに高い高いされてキャッキャと喜んでいる双葉を見て、
とりあえずふたりの相性はいいんだなとホッとしたけれども。

岡部さんが帰った後、
「また子守に呼べるな」
と、薪さんが呟いた。

岡部さんは優しい。
例え過保護だとしても‥無関心より数百倍‥数万倍いいと思う。
かいがいしく世話もしてくれるし。
最初はおっかなびっくりだったオムツ替えも、
「男の子は楽だな。
どこまで拭けばいいのか一目瞭然だ!」
すぐに慣れたし。

薪さんに下品だと睨まれてたけど‥

だけど‥双葉くらいの赤ん坊はすぐに顔なんて忘れてしまうから
また大泣きされるのは目に見えているけれど。


「薪さん?
風呂はどうするんですか?
薪さ‥‥」

いつものサンルームで寝っ転がって星を見ていた薪さんと双葉は―
やっぱりいつものようにウトウトしている。
薪さんの手が双葉の指をそっと握って‥

ダウンケットをふたりに掛けて‥オレはそこに膝を抱えて座ったまま
暫く、なんとも言えない‥幸せな気分に浸っていた。

それにしても―
「岡部さんの妊婦姿は‥怖いな。
双葉なんて‥知恵熱出すかも知れない」


お終い(^_^;)


Fの続きを書きたかったんですけどなかなか機会がなくて。
ほんわかしたのが書きたかったんですけど‥こんなになってしまいました‥(>_<)

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 3月5日鍵拍手コメ下さいましたAさまへ

Aさま、こんにちは~♪
いつも拍手とコメントありがとうございますi-237


岡部さんの顔も慣れればなつかれるのですよね。
5巻の岡部編を思い出します。「岡部!」「ダメです」のやりとりもデジャブが・・(笑)


岡部さんと薪さんのやり取りは大好きですね。
結構主張する岡部さんに一歩も引かない薪さん‥
デジャブ‥(笑)傍にいた青木は‥一言も発せず‥
美女と野獣の対比も好きですi-178

薪さんにウイルスがついてるなんて心配してたらお帰りのチュウはできないですが
(大人だからいいのか)


インフルエンザウィルスが‥i-229
チュウは薪さんが許してくれないんです。
青木以上にそんなところに拘る薪さん‥好きです。
大人は大丈夫でしょうけど‥三人とも風邪はあまり引かないのでは?
なんて思います。

うちの子二人とも、よく泣くので疳の虫のお払いをしましたよ(^^;)
うっ、岡部さんの妊婦姿は不気味ですが、それより、顔が似たら可哀相(笑)
瀬名さん似だったらよいですが・・ほんわかさせていただきました(^^)


うちの長女はあんまり泣かなかったですね。
今思うと、ソコがヘンだったのかな?と思います。
疳の虫っいいますよね、お灸をしたりおまいりしたり。
うちはみんな誰も疳が強くなかったのでソコはよかったかも。

瀬名さん似の女の子がいいですねv-398
女の子を育てられるのか‥疑問ですが‥v-356
どっちにしても岡部さんのモノを使っての体外受精は‥
できませんっ←酷い?

ほんわかしていただいて‥v-408ありがとうございました!!

  by ruru

 3月4日鍵拍手コメ下さいましたSさまへ

S様、いつも拍手とコメント、ありがとうございますっv-10

遅くなりましたがメールでお返事送らせていただきました~
お受け取り下さいませv-435

  by ruru

 お久しぶりです

こんにちは。お久しぶりです。
いつも読み逃げばかりですみませんm(__)m。
このシリーズはいつもなんだかほんわり温かい気持ちになります。
…が、今回は「ほんわり」というより、ブハッと吹き出して笑ってしまいました。
岡部さんのマタニティ姿ですかー(笑)。
第九でモニターを見ながらマタニティブルーになったり、つわりで有給休暇を申請したり、エレベーターで一緒になった他の部署の職員に「おめでたですか。何ヶ月ですか?」と聞かれたり、電車で席を譲られたり…、そんな場面を連想してしまいました。
ぜひともまた続きを書いて下さい。
楽しみにしています。

  by あずき

 あずきさま、こんにちは~♪

あずきさま、コメントありがとうございますm(__)m

> こんにちは。お久しぶりです。
> いつも読み逃げばかりですみませんm(__)m

いえいえ、とんでもございません(*^_^*)
読んでいただけるだけで嬉しいです~
近頃は更新も進まず‥でも書ける時はガンガン書きたいですっ

> このシリーズはいつもなんだかほんわり温かい気持ちになります。
> …が、今回は「ほんわり」というより、ブハッと吹き出して笑ってしまいました。

(^_^;)‥あははっ
ですよね、岡部さん‥薪さんならともかく岡部さんの‥
吹き出しますよね~v-12って言うか‥怖い‥(笑)
吹き出していただいて嬉しいですv-344

> 岡部さんのマタニティ姿ですかー(笑)。
> 第九でモニターを見ながらマタニティブルーになったり、
> つわりで有給休暇を申請したり、

マタニティブルー‥‥
「あああ‥もうダメだ‥元気な子なんて産めない‥オレはダメな親だ‥
クソー!仕事なんてしてられるかーー」
なんて‥(笑)
うっ‥ってきて‥トイレに駆け込む‥曽我に背中をさすってもらって
「もう大丈夫だ‥つわりだけは慣れないな‥」
ぼやく岡部さん(^_^;)
あずきさまのお陰で面白妄想できましたv-398

> エレベーターで一緒になった他の部署の職員に「おめでたですか。何ヶ月ですか?」と聞かれたり、
> 電車で席を譲られたり…、そんな場面を連想してしまいました。
> ぜひともまた続きを書いて下さい。
> 楽しみにしています。

「今ですか、7カ月です。
ボコボコ蹴って大変ですよ」
ふふふふふふっ♪
大変ですね、どうぞ座って下さいと席を譲られ
「ああ、すいません、ありがとうございます」脚を広げてどっかりと坐ったりして‥
想像して下さってありがとうございます!
次は薪さんの公園デビュー編です、もう少しで書きあげるところで
止まってたのですがなんとか書けそうですっi-237
あずきさまの素晴らしい想像力をいただいて、頑張りますv-354

ありがとうございましたv-435

  by ruru

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Posted on 19:29:43 «edit»

Category:F(エフ)

F(エフ)5 前編 

薪さん、公園デビュー‥前編です。

F(エフ)5



「こ‥公園‥?」

「そうです、公園デビューです」

ウソだろ‥?

「お前が行けばいいじゃないか!」

「いえ、最初は薪さんが」
「僕に様子見をさせる気か!?」
青木は段階を踏むことに拘っている。

公園なんてそんなに大事なのか?
僕は‥だって‥
「砂場なんて行かないからなっ」

「潔癖症ですもんね、砂場はいいんです。
外気浴が目的ですから」


僕がひとりで‥?
どうして青木は一緒に‥
僕と青木が一緒にいくと‥奇異な目で見られるから青木は‥
そうか、仕方ないな。
そんな目で見られることは双葉にもよくないし‥青木をそんな視線に
晒したくない。

「分かった。
双葉の為でもあるし‥午後から海浜公園に行ってくる」
「途中まで一緒に行きますよ、買物して帰りに公園に寄りますから
一緒に帰りましょう」

「‥うん」
なんだか‥気が乗らないけど‥双葉と青木の為なら我慢するか。



双葉は薄いブルーの足つきのカバーオールの上に白いクマの耳のケープを羽織っていて
ベビーカーに乗せると笑顔満開だ。

養育者の都合で好きな散歩の回数が減るのは
やっぱり良くない。
僕と青木がどんな目で見られたって‥双葉は双葉なんだ。
大好きな散歩をさせてあげないと。

オムツと‥ミルカーに粉ミルク一回分を入れて
水筒と、哺乳びんなんかを詰め込んだバッグを
ベビーカーの座席の下に押し込んだ。

「春らしいいい天気ですね‥」
見上げた空は雲ひとつなく晴れ渡っていて、温かな陽射が降り注ぐ午後だった。
欅坂を降りながら
「大丈夫ですよ、薪さんに声かけるママはいませんから」
そう言う。

「‥‥なんでだ」

「キレイなひとに自分たちから声は掛けないそうですよ、公園のママというのは」
意味が分からないな‥
「なにか理由があってなのか?」
「プライドが許さないんですよ、特に薪さんは超キレイですから
遠巻きにして見てるだけだと思います」

そんなものなのか‥
「でも僕はママじゃないぞ!」
「ママじゃないですけどママに見えますからね」
「‥‥」
しかし‥プライドより大事なものがあるだろう、愚かだな。

「ママ友の世界はドロドロしてるらしいです。
薪さんが関わることはないと思いますけど」

ドロドロ‥?
「そんなドロドロした母親が子供を育てるなんて‥子供が歪んでしまうぞ」
「そうですよね‥オレもそう思いますけど」

そんなおどろおどろしい世界のことを話しながら坂を下りると
春の河口がゆらゆらと陽炎のように浮かび上がって、
その手前に緑の木々がみえた。

「じゃ、行ってきますから」
青木の背中を見送り公園の中へと視線を送ると‥幾人かの人影があった。

「双葉、公園行きたいか?」
ベビーカーの中で自分の爪先を両手で引っ張りながら
「んま、まんま‥ぶー‥」
機嫌がいい。

誰だって天気がいいと楽しいだろう、
特に子供はお日様が大好きだ。
どういう生まれ方をしても、赤ん坊は赤ん坊だ。

ゆっくりとベビーカーを押しながら
公園の中を縦断して海に張り出した遊歩道に向かう。
しかし‥‥
‥‥見られてるなぁ‥覚悟はしてたけど‥

後ろも横も見ずに真っ直ぐ‥
ジーンズ穿いてても、地味なピーコート着てても‥女性に間違われることは
しょっちゅうだけど‥慣れてるけど‥おかしいな、子連れだぞ、
‥見るな!
でも‥‥
明らかにオトコの視線を感じるのは‥なんでだ?
恐る恐る‥後ろを振り向くと‥

‥母親が少ないっ!!
砂場や、ベンチのある海浜公園の出入り口近くにある児童広場は
母親の姿がほとんどなかった。

ベビーカーの横に立ったるのは若いオトコだし、
砂場で子供を遊ばせてるのも‥今時のイクメン‥?育児をする父親って
感じだ。

とにかくこの一角は‥ダメだ。
青木が見たら‥なんていうか。
きっと僕も双葉も抱えてとっとと帰るだろうな‥。

とにかくせっかく来たんだから‥
と、児童広場を出て海辺のデッキへと慌てて向った。

潮風が吹き抜けるデッキはやはり人はいたけれど児童広場ほどじゃなく
ホッとして僕はベンチに腰掛ける。

少しベビーカーの背を起こして、海が見えるように―

「一緒に海を見たことが無かったな‥」

僕たちは一緒に‥
3人で出掛けることを避けていた。

双葉は可愛い。
青木そのものだから、この子は。
だから‥僕にとっては青木と同じくらい大事な‥

なのに‥この背徳感、後ろめたさ‥そんなものを持ってしまう自分が嫌だった。

「ごめん‥せっかく生まれてきてくれたのに‥」

「まー‥んま」
両手を差し出す双葉を抱きかかえてベビーカーから膝に乗せると
マシュマロのような頬に僕の頬をすり寄せ‥抱きしめた。

「お前も可愛いけど‥お前のパパは‥僕にとっては世界一可愛いんだ。
‥早く来ないかな‥」
双葉を片手で抱いたまま広場の方を僕は‥振り返る。

‥その‥僕の視線の先に舞い降りてきた桃色の緋寒桜の花びらが
ふいに風に煽られ
双葉のクマ耳の上にふんわりと、とまった。


続く


続きますが
すぐ書けるか分からないです、ごめんなさいっ!
ただ、ほんわかじゃなくて少しばかりの苦悩も書ければと思います。
でも基本、ラブラブです(^_^;)

tb: (0)     com: (2)

 3月21日鍵拍手コメ下さいましたAさまへ

Aさま、こんにちは~♪拍手とコメントありがとうございました!

おお、ついに薪さんの公園デビューなのですね!私も苦手でした(^^;)

私も苦手です~^_^;
怖くて‥仲間になっても影愚痴ばかりで疲れました。
随分とお暇なのだなぁ‥っと思ってました。

青木は何故、一緒じゃないのでしょう?今更、人の目を気にしないと思うのですが・・
ママより、イクメンの方が心配ですね(笑)


青木は‥考えがあるのでしょうね(^_^;)
お買い物は‥口実?
ママ友はどうでもいいですよね、ただ‥お父さんが多過ぎ‥
困りましたね、声を掛けられるのは必至です。
逃げる訳にはいかないし‥囲まれたらどうしましょうv-12

薪さんの苦悩ってやっぱり、男同士の親ってことなのかしら・・!?
大切なのは子供が愛情をそそがれて育つことだと思うのですが。青木は何を考えているのかなあ・・


出生が‥青木の体細胞からですからね、
薪さんは(夢としりせば)の中で苦悩しました。
でも‥青木そのものだから許せたし、可愛いと思って、
色々考え込むことも無くなったんですが‥やはり‥
ひとですから思い出して悩んでしまいますi-238
同性ということは‥もう慣れました、
薪さんはその辺は‥オトコとおみ割れないようです。

青木と薪さん‥見掛けは完璧すぎる恋人同士ですから~v-415

  by ruru

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