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Fleurage―たおやかな花たち―

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Posted on 01:05:27 «edit»

Category:立夏の記憶

その2 

立夏の記憶8その2




治療が始まって1時間ほど経ったころから‥頭痛がしていた。
スツールに腰掛けて両手で頭を支えながら膝の上に肘をついていた。
オレの頭を締め付ける痛みが何なのか‥
もしかして薪さんの‥?薪さんの苦しみが‥?

慌てて立ち上がりドアをノックしようとした時、
開いたドアから瀬名さんが顔を出した。
「青木さん、入ってもらえますか」
「どうかしたんですか?」
「あなたがいる方が落ち着いて治療できるようです」
いつもの笑顔でそう言った。

治療ベッドに横になって点滴を受けている薪さん、
目は見開いて天井を見つめていた。
そっと横に回り腰掛けると、オレの方へ顔を向ける。
「‥大丈夫だ。5年前から治療を始めているから」
静かな声だった。
静かで、だけど‥どこか頼りなげな‥気のせいか?
「5年前?」 瀬名さんを振り返った。
「ええ、10年前のことが関係無いところは省きます。
薪さんの場合、それでもいいかと‥」
そうなんだ、よかった‥そう思って薪さんを‥‥?
オレの袖口を掴んだ薪さんの手がしっかりとオレの指に絡みついてきた。
「‥‥」
「いいなぁ‥ラブラブで」
と、下らない事を言う桜井先生は無視して‥オレも薪さんの冷たい手を
暖めるように握り返していた。
「そうですよ、羨ましいですか?」
薪さん‥?!‥目を閉じたまま薪さんが‥そんな事を呟いた‥
ビックリしたけど‥桜井先生は例の事件を知っている。
その時薪さんが入院していた病院も桜井先生の勤務先だった。
だからか、だから自分は今は何も心配ないのだと‥言いたかったのかもしれない、
薪さんは‥。

「青木‥ちょっと耳貸せ」
ほんの小声でそう言う薪さんの口元に耳を寄せる。
「‥‥」
オレにだけ伝えたかった言葉は‥‥
‥そうなのか‥そうだったんだ。
薪さんは‥ほんとに可愛いひとで‥
それに、オレが想っているほど強くはないんだ。
だからオレが支える、辛い時はオレが傍いる‥
目を閉じていても長い睫毛がキレイで‥何度この顔を、オレの胸の中で
隣で見ただろう‥それでも見飽きることなんて無いんだな‥当たり前か。
こんなひとはこの世にふたりといないんだから。
そのひとを支えられるだけで幸せなんだと思う。

桜井先生がチョンチョンと瀬名さんの肩をつついて‥笑っていたのは 
気配で分っていた。
‥ラブラブなんですよ、悪いですか?
そう言いたかったけど後で薪さんに叱られそうなんで‥やめた。

「4月のことは‥覚えてます。
‥公安でデータの洗い直しを‥課長の下でやってました」
少し意識レベルが下がったのかもしれない、ゆっくりとした口調で
目は閉じたままだ。
「薪さん、いつもどこにいらっしゃいましたか?」
瀬名さんの問いに10秒ほど間を置いて
「資料室の‥セキュリティ・ルームに」
「主に何を見ていたんです?」
「極左‥国内の過激派のデータを主に」
「何か気付いたことがありましたか?」
「噂を聞いてはいました。
時の与党の一派と‥繋がっていて、資金提供を受けていたのではないかと‥」
「その過激派のデータをあなたは見たんですね?」
「資金の流れを掴んで‥ただ、その直後に課長が交代してからの記憶がないです」
「モニターの中に何か異変がなかったか覚えてませんか」
「‥‥パルス‥時折画像を横切るように入る乱れはサブリミナルのような、
パルスだろうと 思ってました」
「防御本能がそれを遮断しなければならないと脳に働きかけた可能性がありますね」
「信号をですか?」隣の先生にオレが尋ねた。
「そうです。脳が有害だと受け取れば防御本能が働くんです」
「そして記憶を消したと?」
「消してないでしょう。
消したのではなくて、箱に入れて鍵をかけた‥そんな状況だったと思われます」
うっすらと目を開けて顔を向ける薪さんが気がついたように口を開いた
「ある一定の周波信号を脳は有害だと判断して前後の記憶を
削除すると言う話を聞いたことはあります」
「削除はしません。脳が一度情報だと認識したものは残ります。
削除ではなく保護したというか、さっき言ったように箱に入れたんでしょう」
「警察庁の極秘データですから‥内部からか、ハッキングによるものか‥」
そう呟く薪さんを見つめながら瀬名さんが輸液の量を調整する。
「あまり麻酔が効かない体質ですね、薪さんは」
なににせよ、特殊なひとであるらしい。

暫く質問をやめ、薪さんの様子を観察していた瀬名さんが
「青木さん、何か聞いて貰えますか?」
オレにそんな事を‥って言っても‥えっと‥
「薪さんは資金の流れを調べたんですよね、
極東義勇軍の当時のリーダーの口座とか、特定の政治家の名前を
見つけたんですか?」
いきなりすぎたか‥と思って先生を見ると、こっくりと頷いた。
「見つけた‥見つけたって言ったか?」
あれ、さっきより意識レベルが低下した。
少しろれつが回っていないのか‥?
「そうだ‥確かに見つけて‥どこに‥昨日見たはずの違法活動のデータを 見た時に
‥忘れていて‥おかしいと思ったからデータを少しづつ移したはずだ」
えっ‥?
「それはどこに‥」
また間が空いた、今度は10秒‥15秒空いて
「僕の‥僕のディスクに‥」
ますます朦朧としてきた様子の薪さん、
「ディスクに?」
「ディスク‥じゃない。
携帯に‥移したんだ‥」
「移したデータはどうしました?」
「‥‥ある‥‥」
といっていきなりパッと起き上がった。
「薪さん、大丈夫ですか?」
じっと額を押さえながら考え込むように一点を見つめて‥ハッキリと言った。
「自宅のパソコンのファイルに」
「ほんとうですか?!」 そんなものがあったのか‥。
「内容は思い出せないが‥確かに移動させた」
「‥それを見つければ記憶は戻る筈です。パズルをはめ込むように
前後の記憶も戻っていきます」
「しかし‥かなりの量のファイルがありますよ」
「いや、それはすぐに見つけ出せると思う。
多分見つけやすいように細工をしてある筈だ」
そう言うと、オレの手を握ったまま再び横になった。
誰が何のためにそんなパルスを送って脳のシステムを混乱させたのか‥
「‥それはだいたい察しがつく」
ゆっくり横になりながら、相変わらずオレの心を読んでの発言。
「お前は顔に出るからな」‥ほら、また。

「麻酔分析療法はもう必要ないですね。
思い出せなくても後は催眠療法でも時間の問題と思われます」
横になったままの薪さんを見つめながらオレは疑問を口にした。
「今まで思いだせなかったのは何故ですか?」
「というか、思いだせないことに気づいたんですね、薪さん?」
「捜査一課で未解決事案がピックアップされている書類を目にした時に
10年前のソレが目に飛び込んできたんです。
そして‥その時の刑事部長の名前‥」
「三枝長官ですか」
そう尋ねたオレの方を見て、「残念ながら‥そうだ」と答えた。
残念ってどういう意味ですか、別にオレは気にしていませんからね。

「もうお帰りになっても構いませんが、具合が悪いようでしたら様子を見ても
いいですよ」
「‥いいえ、一仕事残ってますから」
ベッドの上に起き上がった薪さんを覗き込んで、
「仕事はいけません。
今日はゆっくり休んで下さい、でないとお帰しする訳にはいきません」
先生がそう言うんで仕方なく薪さんも「分りました」と返事をするほかなく
オレはホッとした。

薪さんは今回の治療のことを平気なように言っていたが
やはり、かなり気にしていたことは確かだ。
だからオレの支えを必要としたんだと思いたい。

耳元で、誰にも聞こえないように囁いた言葉‥
『例え何年前の記憶が呼び覚まされてもお前がいれば平気だと思った』
それが‥その言葉がすべてだ。


その3に続く


3話になりました(笑)
やっぱり私の脳は三流です。
このエピソードを2話にまとめられない‥(^_^;)

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 5月5日鍵コメ下さいましたSさまへ

Sさま‥せっかくコメをいただいたのですが‥
なんですか、そのヘンタイ呼ばわり(笑)
たしかにヘンタイですけど‥
決して変態ではありません、ヘンタイなんです。
そこのところ、よろしくお願いいたします(^_^;)
> ああ‥薪さん、そんなに変態の青木がお好きなのですか?
> もっとまともな人も世の中にはいるのですよ、
ですから、もっとまともなって‥酷い‥v-12
確かに一利あるので全面的に否定はできませんけどね。
> ‥仕方ないか。
> 好きなら仕方ない。
愛していれば青木は薪さんのモノ‥薪さんのすべて‥
愛があればちょっとヘンタイでも愛しいのですよ、そこもチャームポイントv-344
ヘンタイがチャームポイントっていうのも‥
薪さんは寛大ですv-398
> でも可愛いなあ、手を握って‥わたしの手も握って欲しい!
> ちょっとささくれてがさついてるけど(笑)
握って下さるようなお話を書きましょうか?
勿論偶然にですよ、薪さん主婦の手を握る編。
おばさん転がしの薪さんもいいかも‥(笑)
ささくれてる?!
それは治して下さい。
そんなお手を薪さんに握らせる訳にはいきませんv-422←綺麗にしてね。

> だって主婦なんだもん!
あははははははははは‥それはいいっこ無しよ(^_^;)
独身のつもりでチャレンジして下さい!

  by ruru

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2011/05/05 11:36 |  |  #  edit

5月5日鍵コメ下さいましたSさまへ

Sさま‥せっかくコメをいただいたのですが‥
なんですか、そのヘンタイ呼ばわり(笑)
たしかにヘンタイですけど‥
決して変態ではありません、ヘンタイなんです。
そこのところ、よろしくお願いいたします(^_^;)
> ああ‥薪さん、そんなに変態の青木がお好きなのですか?
> もっとまともな人も世の中にはいるのですよ、
ですから、もっとまともなって‥酷い‥v-12
確かに一利あるので全面的に否定はできませんけどね。
> ‥仕方ないか。
> 好きなら仕方ない。
愛していれば青木は薪さんのモノ‥薪さんのすべて‥
愛があればちょっとヘンタイでも愛しいのですよ、そこもチャームポイントv-344
ヘンタイがチャームポイントっていうのも‥
薪さんは寛大ですv-398
> でも可愛いなあ、手を握って‥わたしの手も握って欲しい!
> ちょっとささくれてがさついてるけど(笑)
握って下さるようなお話を書きましょうか?
勿論偶然にですよ、薪さん主婦の手を握る編。
おばさん転がしの薪さんもいいかも‥(笑)
ささくれてる?!
それは治して下さい。
そんなお手を薪さんに握らせる訳にはいきませんv-422←綺麗にしてね。

> だって主婦なんだもん!
あははははははははは‥それはいいっこ無しよ(^_^;)
独身のつもりでチャレンジして下さい!

2011/05/06 04:37 | URL | ruru #Xl5e9i5Y  edit

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